この記事のポイント
- 2024年度介護報酬改定により、訪問看護の初回加算は「初回加算(Ⅰ)」と「初回加算(Ⅱ)」の2区分に再編され、それぞれ算定要件が明確化されました。
- 初回加算(Ⅰ)は新規利用者、初回加算(Ⅱ)は医療機関を退院・退所後またはサービスを2ヶ月以上中断した利用者に対する再開時に適用され、適切な算定は経営安定化に直結します。
- 算定対象外となるケースや、複数の訪問看護ステーションが関わる場合の取り扱い、リハビリテーションのみの提供時など、複雑なケースの判断基準を具体例を交えて解説します。
- 適切な請求処理と記録の徹底は、監査・実地指導での指摘を防ぎ、返戻リスクを低減するために不可欠であり、請求事務担当者は最新情報を常に把握する必要があります。
- みつける訪看EXのようなプラットフォームを活用した情報発信は、初回加算による収益確保と並行して、事業所の集客・採用力を強化し、持続可能な経営基盤を築く上で重要な戦略となります。
訪問看護ステーションの請求事務担当者様、管理者様、日々の業務お疲れ様でございます。2024年度の介護報酬改定は、訪問看護ステーションの経営に大きな影響を与える変更が多く含まれています。
特に訪問看護における初回加算については、算定要件が明確化され、適切な理解と請求処理がこれまで以上に求められています。この初回加算を正しく算定することは、貴ステーションの安定経営に不可欠な要素です。
この記事では、訪問看護の初回加算に関する最新の算定基準、厚生労働省が発出する解釈通知のポイント、そして実務上で迷いやすい具体的なケースにおける判断基準を詳しく解説します。また、適切な請求処理の手順や、監査・実地指導で指摘されやすい記録の注意点にも触れ、日々の業務と経営安定化に役立つ情報を提供いたします。
訪問看護の初回加算とは?算定の意義と基本原則

訪問看護の初回加算は、利用者に対して訪問看護サービスを初めて提供する際、または一定期間を経てサービスを再開する際に算定できる加算です。この加算は、新規利用者の状態把握やケアプラン作成、多職種連携など、サービス開始初期に集中する訪問看護ステーションの業務負担を評価し、適切な報酬を保障する目的で設けられています。
2024年度の介護報酬改定では、この訪問看護における初回加算が「初回加算(Ⅰ)」と「初回加算(Ⅱ)」の2区分に再編され、それぞれの算定要件がより詳細に規定されました[1]。この変更は、訪問看護ステーションが利用者の状態やサービスの継続性に応じた適切な評価を受けられるようにするためのものです。初回加算の適切な算定は、サービス開始時の初期費用をカバーし、経営の安定化に大きく寄与します。
しかし、訪問看護の初回加算は、その算定要件が複雑であり、特に複数の事業所が関わるケースや、サービスの再開時期、リハビリテーションのみの提供といった特殊な状況では判断に迷うことが少なくありません。正確な知識なしに請求を進めると、返戻や過誤請求につながるリスクがあるため、最新の算定基準と解釈通知を深く理解し、実務に落とし込むことが極めて重要です。
テクロ株式会社が運営する「みつける訪看EX」の立ち上げ背景には、自社の社員が訪問看護ステーションを探した際に「インターネットで調べても施設の詳細が全く出てこない」「どんな人が看護してくれるのかわからない」といった情報不足の状況に直面した経験があります。このように情報が不足している訪問看護業界において、初回加算のような適切な報酬を確実に得ることは、ステーションが安定したサービス提供を継続し、利用者へ必要な情報を発信していくための基盤となります。
初回加算の最新算定要件と解釈通知のポイント

2024年度介護報酬改定により、訪問看護における初回加算は大きな変更がありました。特に、「訪問看護の初回加算1と2の違いは何ですか?」という疑問を抱く請求事務担当者の方も多いでしょう。今回の改定では、初回加算が「初回加算(Ⅰ)」と「初回加算(Ⅱ)」の二つの区分に整理され、それぞれ異なる算定要件と単位数が設定されました。これらの違いを正確に理解することは、適切な請求を行う上で不可欠です。
初回加算(Ⅰ)は、新規に訪問看護計画を策定し、訪問看護サービスを開始した利用者に対して算定可能です。これは、事業所が初めて利用者のアセスメントを行い、個別の看護計画を立てる際の初期集中支援を評価するものです。具体的な単位数は、2024年度の改定で新たに定められました[1]。一方、初回加算(Ⅱ)は、医療機関からの退院・退所後、または前回の訪問看護サービスの提供から2ヶ月以上経過した後にサービスを再開する利用者に対して算定されます。これは、特に医療機関を退院して在宅生活に移行する利用者や、病状の変化などで一定期間サービスを中断していた利用者が、再び在宅で継続的なケアを受けるためのスムーズな導入を支援する目的があります。
| 項目 | 初回加算(Ⅰ) | 初回加算(Ⅱ) |
|---|---|---|
| 算定対象者 | 新規に訪問看護計画を策定し、訪問看護サービスを開始した利用者 | 医療機関からの退院・退所後、または前回の訪問看護サービスの提供から2ヶ月以上経過した後にサービスを再開する利用者 |
| 算定要件 | 事業所が初めて利用者のアセスメントを行い、個別の看護計画を立てる際の初期集中支援 | 医療機関を退院して在宅生活に移行する利用者や、病状の変化などで一定期間サービスを中断していた利用者が、再び在宅で継続的なケアを受けるためのスムーズな導入支援 |
| 算定単位数 | 2024年度の改定で新たに定められました(具体的な単位数は別途確認) | 2024年度の改定で新たに定められました(具体的な単位数は別途確認) |
| 目的 | 新規利用者の初期集中支援、事業所の経営安定化 | 在宅移行支援、サービス再開時の円滑な導入支援 |
厚生労働省の解釈通知では、これらの算定要件の詳細や、算定期間、他事業所からの訪問との兼ね合いなど、実務で迷いやすい具体的なポイントが示されています。例えば、「訪問看護初回加算算定要件 厚生 労働省」の資料を確認することで、加算対象期間が「歴月」で2ヶ月以上と定められていることや、複数事業所が同時期に初回加算を算定できない原則などが明確になります。これらの基準を正確に把握し、個別の利用者ケースに適用することが、正確な請求処理の鍵となります。
算定対象となるケースとならないケースの具体例
訪問看護の初回加算は、その性質上、算定対象となるケースとならないケースが細かく規定されています。「初回加算の対象となるのは?」という疑問に対して、ここでは具体的な事例を挙げて解説します。
- 算定対象となるケース
- 初回加算(Ⅰ)の例:
- これまで訪問看護サービスを利用したことがない利用者が、新たに訪問看護ステーションとの契約を締結し、サービスの提供を開始した場合。
- 別の介護保険サービス(例:デイサービス、訪問介護など)は利用しているが、訪問看護は初めて利用する場合。
- 初回加算(Ⅱ)の例:
- 医療機関(病院や診療所)を退院または介護老人保健施設・介護医療院を退所し、その後に訪問看護サービスを再開した場合。
- 以前に訪問看護サービスを利用していたが、サービス提供が2ヶ月(歴月)以上中断し、その後再び同じ訪問看護ステーションでサービスを再開した場合。この場合、中断期間が2ヶ月未満であれば初回加算(Ⅱ)は算定できません。
- 医療保険での訪問看護を受けていた利用者が、介護保険での訪問看護に移行する場合も、介護保険サービスとしては新規と見なされ、初回加算(Ⅱ)の対象となることがあります。特に「訪問看護初回加算 医療保険」からの移行は注意が必要です。
- 「訪問看護初回加算 リハビリ のみ」の場合でも、上記の要件を満たせば算定対象となり得ます。ただし、リハビリテーション専門職による訪問であっても、訪問看護計画に基づいた初回訪問である必要があります。
- 初回加算(Ⅰ)の例:
- 算定できないケース
- 「初回加算はどのような場合に算定できないのですか?」という問いに対しては、以下のような状況が挙げられます。
- 同じ事業所で過去2ヶ月(歴月)以内に訪問看護サービスを継続的に利用していた利用者が、一時的にサービス頻度を減らした後、再び通常の頻度に戻した場合。
- 同一利用者に対して、複数の訪問看護ステーションが同時期に初回加算を算定すること。原則として、最初にサービスを開始した事業所のみが算定可能です。
- 利用者の状態変化に伴い、介護保険から医療保険、またはその逆でサービス種別が変更になったものの、訪問看護サービスの提供自体は継続しているとみなされる場合。ただし、前述の通り医療保険から介護保険への移行で新規とみなされるケースもあるため、個別の判断が必要です。
- 退院・退所日と訪問看護開始日が同月内であるにもかかわらず、連続してサービスが提供されていると判断される場合。
- 「初回加算はどのような場合に算定できないのですか?」という問いに対しては、以下のような状況が挙げられます。
⚠️ 注意:算定の可否は、各自治体や保険者の解釈、個別の状況によって異なる場合があります。必ず最新の厚生労働省の通知と、管轄の自治体・保険者にご確認ください。
複数事業所からの訪問や期間に関する注意点
訪問看護の初回加算の算定において、特に複雑なのが複数事業所からの訪問や、算定期間に関する取り扱いです。これらの注意点を把握することは、誤った請求を防ぐ上で非常に重要となります。
まず、複数事業所が同一の利用者に対して訪問看護サービスを提供するケースでは、原則として初回加算を算定できるのは最初の1事業所のみです。これは、初回加算が新規に訪問看護計画を策定し、利用者との関係構築を行う初期の労力を評価するものであるため、その意義に鑑みて重複算定は認められていません。例えば、利用者がAステーションとBステーションの両方から訪問看護を受ける場合、最初に訪問看護サービスを開始し、初回加算の要件を満たした事業所のみが算定できます。
次に、算定期間に関する注意点です。初回加算(Ⅱ)は、前回の訪問看護サービス提供から「2ヶ月以上(歴月)」が経過した後にサービスを再開した場合に算定可能とされています。「歴月」とは、月の初日から末日までを1ヶ月と数える方法であり、例えば1月15日にサービスが終了し、3月10日にサービスが再開された場合、2ヶ月(2月、3月)が経過していないため算定できません。正しくは、1月15日にサービスが終了した場合、3月末日までの2ヶ月が経過し、4月1日以降にサービスが再開されれば算定可能となります。
この「2ヶ月以上」という期間の判断は、「訪問看護 初回加算 再開」の可否を決定する上で非常に重要であり、日数の計算に誤りがないよう細心の注意が必要です。また、入院期間や他のサービス利用期間がこの中断期間にどのように影響するかについても、厚生労働省からの最新の解釈通知を確認することが不可欠です。適切な算定期間の判断は、過誤請求や返戻を防ぎ、安定した経営を維持するために欠かせない実務知識と言えるでしょう。
実務で迷いやすい初回加算のQ&Aと判断基準

訪問看護ステーションの請求業務において、初回加算は特に判断に迷いやすい項目の一つです。ここでは、現場で頻繁に発生する疑問点と、具体的な判断に役立つ基準を解説します。「訪問看護 初回加算 ⅱ」のように、区分に応じた細かなルールが現場の混乱を招くこともあります。疑問を解消し、適切な請求につなげましょう。
多くの場合、利用者の状況は常に変化するため、画一的な判断が難しいケースに直面します。例えば、利用者が一時的に入院した場合や、他のサービスを併用している場合など、初回加算の算定可否を判断する際には、算定要件だけでなく、サービスの連続性や利用者の状態変化を総合的に考慮する必要があります。特に、厚生労働省からの解釈通知は頻繁に更新されるため、常に最新情報を参照し、疑問点があれば速やかに管轄の自治体や保険者に確認する姿勢が重要です。
過去の算定履歴がある利用者への適用判断
過去に訪問看護サービスの利用履歴がある利用者への初回加算の適用は、請求事務担当者が特に迷いやすいポイントです。ここでは、一度利用を中断した利用者や、他のサービスを利用していた利用者への初回加算(Ⅱ)の適用について解説します。
まず、以前に訪問看護サービスを利用していた利用者が、サービスの提供を中断し、その後再開するケースです。初回加算(Ⅱ)は、「前回の訪問看護サービスの提供から2ヶ月(歴月)以上が経過した後にサービスを再開した場合」に算定が可能となります。この「2ヶ月(歴月)以上」という期間の計算が非常に重要です。例えば、3月末日でサービスを終了し、6月1日にサービスを再開した場合、4月と5月の2ヶ月間が完全に経過しているため、初回加算(Ⅱ)を算定できます。
次に、入院や施設入所などにより訪問看護サービスが中断され、退院・退所後にサービスを再開するケースです。この場合も、退院・退所後に訪問看護サービスを再開する際に初回加算(Ⅱ)の対象となり得ます。これは、医療機関からの退院・退所後の生活移行期において、改めて利用者の状態を評価し、新たなケアプランを立てる必要が生じるためです。ただし、退院・退所と訪問看護の再開がほぼ連続しているとみなされる場合は、算定できないこともありますので注意が必要です。
また、他のサービス(例:デイサービス、訪問介護など)を継続して利用している一方で、訪問看護サービスのみが中断されていた利用者への適用も確認が必要です。訪問看護サービスの提供が2ヶ月(歴月)以上中断されていれば、訪問看護としては再開とみなされ、初回加算(Ⅱ)の対象となる可能性があります。重要なのは、あくまで訪問看護サービスの提供履歴であり、他の介護サービスとは切り離して判断されます。
複数の訪問看護ステーションが関わる場合の取り扱い
複数の訪問看護ステーションが関わる場合、初回加算の算定はより複雑になります。利用者が複数のステーションを利用している場合や、事業所の変更があった場合の初回加算の取り扱いについて、正確な知識が求められます。
基本的な原則として、同一利用者に対して、複数の訪問看護ステーションが同時期に初回加算を算定することはできません。初回加算は、訪問看護の開始時における初期的なアセスメントや計画策定の労力に対する評価であり、その性質上、重複して算定することは適切ではありません。
- 同時に複数のステーションがサービス提供を開始する場合:
- 利用者が同時に複数の訪問看護ステーションに依頼し、各ステーションが訪問看護サービスを開始するケースでは、原則として最初に訪問看護サービスを開始し、初回加算の算定要件を満たした事業所のみが初回加算を算定できます。他の事業所は、サービス開始が同時期であっても初回加算を算定することはできません。このため、ケアマネジャーや他の関係機関との密な連携を通じて、どの事業所が初回加算を算定するのかを事前に明確にしておくことが重要です。
- 事業所を変更した場合:
- 利用者がこれまでの訪問看護ステーションから、別のステーションにサービス提供を変更する場合も注意が必要です。以前のステーションで訪問看護サービスを利用していた期間が、2ヶ月(歴月)以上経過していない場合は、新たなステーションであっても初回加算(Ⅰ)または(Ⅱ)を算定することはできません。ただし、前のステーションでのサービス終了から2ヶ月(歴月)以上が経過していれば、新たなステーションでのサービス開始時に初回加算(Ⅱ)の算定が可能となります。これは、サービスの中断期間が十分にあり、新たな事業所が改めて初期の支援を行う必要性が認められるためです。
このようなケースでは、厚生労働省の解釈通知や、地域ごとのローカルルール、そして何よりもケアマネジャーとの情報共有が不可欠です。不適切な請求は「訪問看護 不正請求 告発 どこに」といった問題に発展するリスクもゼロではありません。正確な情報共有と判断基準の理解が、トラブルを避ける最善策です。
初回加算の適切な請求処理フローと記録の注意点

訪問看護の初回加算を適切に算定するためには、正確な請求処理フローの確立と、監査・実地指導に耐えうる記録の保持が不可欠です。誤った請求は返戻につながり、ステーションの経営に直接的な悪影響を及ぼすだけでなく、場合によっては不正請求とみなされるリスクも生じます。ここでは、請求担当者が留意すべき具体的な手順と記録のポイントを解説します。
まず、初回加算の算定要件を満たしているかどうかの確認を徹底することが第一歩です。利用者のサービス利用履歴、中断期間、退院・退所後の状況などを詳細に把握し、初回加算(Ⅰ)または(Ⅱ)のどちらが適用されるのかを正確に判断します。この判断には、ケアマネジャーからの情報提供や、過去の記録との照合が重要です。
次に、請求書やレセプトへの記載方法の正確性です。所定の様式に従い、正しいコードと単位数を記載する必要があります。特に、2024年度の改定で区分が変更された初回加算については、新しいコード体系に慣れるまで注意が必要です。
そして、最も重要なのが記録の保持です。初回加算の算定根拠となる記録は、実地指導や監査の際に必ず確認されます。サービス開始時のアセスメント記録、ケアプラン、関係機関との連携記録、そして初回加算の算定理由を明確に記載した書類は、適切に整理・保管しておく必要があります。これらの記録が不十分であると、指摘を受けたり、返還を求められたりする可能性があります。
請求書への記載方法とレセプト作成時の確認事項
初回加算の請求は、介護給付費請求書やレセプトに正確に記載することが求められます。記載方法の誤りは、返戻の主要な原因となるため、細心の注意が必要です。
- 請求書への記載方法:
- サービスコード:初回加算(Ⅰ)と(Ⅱ)には、それぞれ異なるサービスコードが割り当てられています。最新のサービスコードを確認し、誤りのないように記載します。
- 単位数:算定要件を満たした区分に応じた単位数を正確に記載します。
- 日付:加算の対象となる訪問看護サービスの提供開始日を明確に記載します。
- 摘要欄:必要に応じて、初回加算を算定した具体的な理由や、サービスの開始経緯などを簡潔に記載します。例えば、退院後の訪問であることや、2ヶ月以上の中断期間を経ての再開であることなどです。
- レセプト作成時の確認事項:
- 利用者情報の整合性:レセプトに記載された利用者情報(氏名、生年月日、被保険者番号など)が、介護保険証や台帳の記録と完全に一致していることを確認します。
- サービス内容の一致:請求している初回加算が、実際に提供された訪問看護サービスの内容や開始時期と一致しているかを確認します。
- 複数事業所との兼ね合い:利用者が複数の訪問看護ステーションを利用している場合、貴ステーションが初回加算の算定要件を満たしている唯一の事業所であることを再確認します。
- 中断期間の確認:初回加算(Ⅱ)を請求する場合、前回のサービス提供終了から2ヶ月(歴月)以上が経過していることを、利用履歴記録と照合して確認します。
- ケアプランとの整合性:初回加算の算定が、利用者個別のケアプランに基づいていることを確認します。
これらの確認事項を徹底することで、返戻リスクを最小限に抑え、スムーズな請求処理を実現できます。社内でのダブルチェック体制を確立することも有効な対策です。
監査・実地指導で指摘されやすい記録不備とその対策
訪問看護ステーションが監査や実地指導を受ける際、初回加算に関する記録の不備は特に指摘されやすい項目の一つです。適切な記録がなければ、正当な加算であったとしても返還を求められる可能性があります。ここでは、よく指摘される記録不備事例とその対策を解説します。
- 指摘されやすい記録不備事例:
- 算定根拠の不明確さ:初回加算を算定した理由が、アセスメント記録や看護計画、サービス提供記録に具体的に記載されていない。例えば、退院後の訪問であっても、その経緯や退院日などの情報が不足しているケース。
- 期間に関する証拠不足:初回加算(Ⅱ)を算定する際の中断期間(2ヶ月歴月以上)を証明する過去のサービス提供終了日が明確に記録されていない、または関連書類が整理されていない。
- 連携記録の不足:新規利用者や退院後の利用者に対するケアマネジャーや医療機関との連携内容、初回加算算定の必要性に関する協議記録が不十分。
- 同意書の不備:訪問看護サービスの開始にあたり、利用者や家族からの同意を得た記録(契約書、重要事項説明書など)に初回加算に関する説明や同意の署名がない。
- 記録不備を防ぐための対策:
- 記録の徹底:初回訪問時のアセスメント、看護計画、サービス提供記録には、初回加算の算定に至った経緯、利用者の状態、家族の意向、多職種連携の内容などを具体的に記載します。特に、初回加算(Ⅱ)の対象となる退院・退所時やサービス再開時には、その日付や理由を詳細に記録することが重要です。
- 書類の一元管理:初回加算の算定根拠となるすべての書類(アセスメントシート、看護計画書、サービス提供記録、連携記録、同意書、保険証の写しなど)を適切にファイリングし、いつでも提示できるように一元管理します。
- 定期的な研修:請求事務担当者や管理者だけでなく、現場の看護師も初回加算の算定要件と記録の重要性について理解を深めるための定期的な研修を実施します。
- 内部監査の実施:定期的に社内での内部監査を実施し、記録の不備がないか、請求処理が適切に行われているかを確認する体制を構築します。
これらの対策を講じることで、監査や実地指導での指摘リスクを低減し、安心して事業運営を行うことができます。正確な記録は、貴ステーションの信頼性を高める基盤となります。
訪問看護ステーションが初回加算で安定経営を目指すために

訪問看護ステーションにとって、初回加算の適切な理解と請求は、経営安定化に向けた重要な柱の一つです。2024年度の介護報酬改定で明確化された初回加算(Ⅰ)と(Ⅱ)の算定要件を正確に把握し、実務に反映させることは、貴ステーションの収益を確保し、持続可能なサービス提供体制を維持するために不可欠です。
初回加算は、新規利用者の獲得や、医療機関からの退院・退所後の在宅復帰支援、サービス中断後の再開といった、事業所の初期的な労力と専門性を評価するものです。これらの加算を漏れなく、かつ適切に請求することで、サービス開始時のコストを確実に回収し、健全な財務基盤を築くことができます。また、正確な請求処理と記録の徹底は、監査・実地指導での指摘リスクを回避し、返戻による業務負担や収益減少を防ぐ上でも極めて重要です。
加えて、今後の訪問看護ステーションの経営安定化には、初回加算のような適切な報酬獲得だけでなく、「情報発信」と「集客力」の強化が不可欠です。利用者はもちろん、ケアマネジャーや地域相談支援専門員といった関係機関が、適切な訪問看護ステーションを見つけられる環境を整備することは、新規利用者の獲得に直結します。
テクロ株式会社が運営するみつける訪看EXは、まさにこの課題を解決するために開発されました。みつける訪看EXは、訪問看護ステーションの情報発信と集客を強力に支援するサービスです。事業所の基本情報やサービス内容、強みを整理して掲載することで、検索エンジンや地域の利用者・関係機関から見つけてもらいやすい環境を整えます。
実際に、みつける訪看EXはGoogle検索において「地域名+訪問看護ステーション」といったキーワードで上位表示を実現しており、月間12,000件以上のアクセス、月間アクセス数は毎月2.2倍で推移する確かな実績があります。このようなプラットフォームを活用することで、貴ステーションは安定的な集客を確保し、初回加算の算定機会を増やすことにもつながります。
初回加算の適切な運用と、みつける訪看EXのような外部サービスを組み合わせることで、貴社の訪問看護ステーションは、報酬の安定化と新規利用者獲得の両面から、持続的な成長を実現できるでしょう。
少しだけ、記事の途中でお知らせです。
日々、利用者さんのために、そしてステーションの運営をより良くしようとこの記事をお読みいただき、本当にお疲れ様です。
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よくある質問
訪問看護の初回加算(Ⅰ)と(Ⅱ)の違いは何ですか?
初回加算(Ⅰ)は新規に訪問看護サービスを開始した利用者、初回加算(Ⅱ)は医療機関を退院・退所後、またはサービスを2ヶ月以上中断した利用者に対する再開時に算定されます。(Ⅰ)は新規訪問看護計画の策定時に、(Ⅱ)は前回のサービス提供から2ヶ月以上(歴月)経過後にサービスを再開する際に適用されるなど、それぞれ異なる算定要件が設定されています。
訪問看護の初回加算はどのような場合に算定できますか?
初回加算は、新規に訪問看護サービスを開始した利用者、または医療機関からの退院・退所後や2ヶ月以上の中断を経てサービスを再開する利用者が対象です。初回加算(Ⅰ)は新規利用者が、初回加算(Ⅱ)は医療機関を退院・退所した利用者や、以前のサービス提供から2ヶ月以上(歴月)が経過した後にサービスを再開する利用者が算定対象となります。
訪問看護の初回加算はどのような場合に算定できないのですか?
初回加算は、同じ事業所で過去2ヶ月(歴月)以内に訪問看護サービスを継続的に利用していた場合や、同一利用者に対して複数の事業所が同時期に算定する場合などは対象外です。また、介護保険から医療保険への移行でサービスが継続しているとみなされる場合や、退院・退所後もサービスが連続していると判断されるケースでは算定できません。
複数の訪問看護ステーションが関わる場合、初回加算はどうなりますか?
原則として、同一利用者に対して複数の訪問看護ステーションが初回加算を同時に算定することはできません。初回加算は、訪問看護の開始時における初期的なアセスメントや計画策定の労力を評価するものであるため、最初にサービスを開始し要件を満たした1つの事業所のみが算定可能です。ケアマネジャーなどとの密な連携で事前に明確化が必要です。
訪問看護の初回加算(Ⅱ)は、サービスを中断した場合、いつ再開すれば算定できますか?
初回加算(Ⅱ)は、「前回の訪問看護サービスの提供から2ヶ月以上(歴月)が経過した後にサービスを再開した場合」に算定可能です。例えば、3月末日でサービスが終了した場合、4月と5月の2ヶ月間が完全に経過し、6月1日以降にサービスが再開されれば対象となります。この「歴月」での計算には細心の注意が必要です。