「訪問看護師は給料が高いらしい」
そんな話を聞いて、転職を考え始めた病院勤務の看護師の方も多いのではないでしょうか。
夜勤のない働き方に魅力を感じつつも、「本当に年収は上がるの?」「今の生活レベルを維持できる?」といった経済的な不安は尽きないものです。
この記事では、そんなあなたの疑問や不安を解消します。
最新の公的データや給与体系のカラクリを紐解きながら、訪問看護のリアルな年収事情を徹底解説。
さらに、あなたが年収 600 万円以上を目指すための具体的なキャリアロードマップも示します。
この記事を読めば、漠然としたイメージが確かな情報に変わり、自信を持って次の一歩を踏み出せるはずです。
サービスサイトを詳しく見るまずは結論から|訪問看護師のリアルな平均年収はいくら?
訪問看護師の年収について、さまざまな情報が飛び交っています。
そこでまず、信頼できるデータからリアルな平均年収を見ていきましょう。
複数の調査結果を知ることで、より客観的な数値を把握できます。
【2024年最新データ】公的機関と民間調査で見る平均年収(約470万~556万円)
訪問看護師の年収は、調査機関によって幅がありますが、おおむね 470 万円から 556 万円が相場です。
これは、日本の給与所得者全体の平均年収である 458 万円(令和 4 年分)と比較しても、決して低い水準ではありません。
具体的なデータは以下の通りです。
| 調査機関 | 調査年 | 対象 | 平均年収 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 厚生労働省 | 2023 年度 | 常勤 | 約 556 万円 | 介護事業経営実態調査結果 |
| 日本看護協会 | 2024 年度 | 正規雇用 | 約 511 万円 | 看護職員の賃金に関する実態調査 |
| 民間求人サイトA | 2023 年度 | ― | 約 470 万円 | 求人情報データに基づく |
このように、公的機関の調査では 500 万円を超える結果が出ています。
一方で、民間調査ではやや低い傾向が見られますが、これは調査対象や算出方法の違いによるものです。
なぜデータに差がある?調査によって年収額が違う3つの理由
「結局、どの数字を信じればいいの?」と混乱するかもしれません。
データに差異が生まれる主な理由を知っておくことで、情報を正しく読み解くことができます。
| 理由 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 1. 調査対象の違い | – 役職:管理者やベテラン看護師が多く含まれる調査では平均値が上がります。 – 地域:都市部と地方では給与水準が異なります。 – 事業所の規模:規模の大きな法人ほど給与が高い傾向があります。 |
| 2. 算出方法の違い | – 手当の有無:オンコール手当やインセンティブを含むか否かで年収は大きく変動します。 – 賞与の計算:賞与の支給実績が平均値に影響します。 – 額面か手取りか:税金や社会保険料を引く前の「額面」か、後の「手取り」かで金額が変わります。 |
| 3. 調査時期の違い | – 制度改定:介護報酬や診療報酬の改定は、事業所の収益、ひいては看護師の給与に影響します。 – 経済情勢:景気の動向によって、昇給や賞与の額が変動する可能性があります。 |
これらの理由から、一つのデータだけを鵜呑みにするのは危険です。
複数の情報源を参考に、自分の状況に近いモデルケースを探すことが重要になります。
病院勤務とどっちが高い?夜勤手当の有無が年収の分かれ目
現在、病院で働いている方にとって、最も気になるのは給与の比較でしょう。
結論から言うと、夜勤の回数によっては病院勤務の方が年収は高くなる傾向があります。
しかし、訪問看護も日勤のみの働き方としては高水準です。
| 比較項目 | 訪問看護師(日勤常勤) | 病院看護師(夜勤あり) | 差が生まれるポイント |
|---|---|---|---|
| 平均基本給 | 約 28.0 万円 | 約 28.0 万円 | 基本給自体に大きな差はない |
| 主な手当 | – オンコール手当 – 訪問件数インセンティブ – 資格手当 | – 夜勤手当 – 残業手当 – 資格手当 | 夜勤手当の有無が最大の要因 |
| 年収モデル | 約 470~550 万円 | 約 500~600 万円 | オンコールやインセンティブ次第で訪問看護が上回ることも |
表からも分かる通り、基本給に大きな差はありません。
年収の差は、主に月に数万円から 10 万円近くになることもある「夜勤手当」の有無によって生まれます。
ただし、訪問看護には特有の手当があるため、働き方次第では病院勤務の年収を超えることも十分に可能です。
訪問看護の給料が高いと言われるカラクリ|年収を左右する給与体系と手当
訪問看護師の給与は、単純な基本給だけでは決まりません。
むしろ、各種手当が年収を大きく左右する重要な要素です。
この「カラクリ」を理解することが、高年収を目指すための第一歩となります。
基本給+各種手当が基本!給与明細の内訳を解説
訪問看護師の給与明細は、主に「固定給」と「変動給(手当)」で構成されています。
事業所によって詳細は異なりますが、一般的な内訳は以下のようになっています。
| 項目分類 | 給与項目 | 内容 |
|---|---|---|
| 固定給 | 基本給 | 年齢、経験年数、スキルに応じて設定される給与の基礎部分。 |
| 資格手当 | 認定看護師などの特定の資格に対して支給される。 | |
| 役職手当 | 管理者やリーダーなどの役職に対して支給される。 | |
| 変動給 | オンコール手当 | 緊急連絡に備えて待機する時間に対して支払われる。 |
| インセンティブ | 規定の訪問件数を超えた分など、実績に応じて支払われる。 | |
| 時間外手当 | 所定労働時間を超えて勤務した場合に支払われる。 | |
| その他 | 賞与(ボーナス) | 年 1~2 回、事業所の業績や個人の評価に応じて支給される。 |
この中で特に年収への影響が大きいのが、次に説明する「オンコール手当」と「インセンティブ」です。
年収アップの鍵!「オンコール手当」と「インセンティブ」とは?
訪問看護で高収入を得ている看護師の多くは、この 2 つの手当を有効に活用しています。
頑張りが直接収入に反映されるため、モチベーションにも繋がります。
1. オンコール手当
利用者の急変に備え、勤務時間外に緊急用の電話を持って待機する業務に対する手当です。
| 種類 | 内容 | 金額の目安(1 回あたり) |
|---|---|---|
| 待機手当 | 電話を持って自宅などで待機するだけで支給される。 | 1,000 円~3,000 円 (休日や深夜は割増の場合も) |
| 緊急訪問手当 | 実際に電話が鳴り、利用者宅へ訪問した場合に支給される。 | 2,000 円~5,000 円以上 |
月に 5~10 回オンコールを担当するだけで、月収が数万円アップすることもあります。
2. インセンティブ(訪問件数手当)
月の訪問件数や時間に応じて支給される、いわば「歩合給」のような手当です。
- 制度の例1(件数制):月 80 件を超えた訪問 1 件につき 4,000 円を支給
- 制度の例2(時間制):月 80 時間を超えた訪問 1 時間につき 4,500 円を支給
効率よく訪問スケジュールを組むことで、インセンティブだけで月 10 万円以上を得ることも可能です。
転職の際は、こうした手当制度が充実しているかを確認することが非常に重要です。
あなたはいくら目指せる?年収レベル別・訪問看護師のキャリアプラン
訪問看護の世界では、経験やスキルに応じて着実に年収を上げていくことが可能です。
ここでは、あなたのキャリアプランを描くための具体的な年収レベル別のロードマップを提示します。
【年収500万~600万円】経験5~10年で目指す現実的なキャリアパス
臨床経験 5~10 年のあなたが、まず目指すべき現実的な目標ラインです。
病院での経験を活かし、訪問看護の現場で専門性を発揮することで十分に達成可能です。
| 目標年収 | 500~600 万円 |
|---|---|
| 必要な経験・スキル | – 臨床経験 5 年以上(特に循環器、呼吸器、終末期ケアなど) – 基本的なアセスメント能力と判断力 – 利用者や家族との円滑なコミュニケーション能力 |
| 取るべきアクション | 1. オンコールを積極的に担当する:まずは月 5 回程度から挑戦し、手当で収入を底上げする。 2. インセンティブ制度のある事業所を選ぶ:求人票で「訪問〇件目からインセンティブあり」などの記載を確認する。 3. 効率的な業務遂行を意識する:訪問ルートや記録作成を効率化し、訪問件数を増やす努力をする。 |
| キャリアイメージ | 訪問看護の即戦力として、チームの中心的な役割を担う。 |
この段階では、特別な役職に就かなくても、一人の訪問看護師として働き方を工夫するだけで目標達成が可能です。
【年収800万円】管理者・認定看護師へのステップアップ戦略
現場のエースから、さらに上のステージを目指すキャリアパスです。
スタッフをまとめたり、専門性を極めたりすることで、年収は大きくジャンプアップします。
| 目標年収 | 800 万円 |
|---|---|
| キャリアパス | 1. 管理者・経営層 2. 専門・認定看護師 |
| 必要なスキル | – 管理者:マネジメント能力、経営知識、人材育成スキル – 専門・認定:特定分野の高い専門知識と実践能力(例:緩和ケア、在宅ケア) |
| 具体的なアクション | – 管理者:リーダー経験を積み、事業所の管理者へ立候補する。経営に関する研修に参加する。 – 専門・認定:資格取得支援制度のある事業所を選び、働きながら資格取得を目指す。 |
| 年収アップの要因 | – 役職手当(月 5~10 万円以上) – 資格手当(月 3~5 万円以上) – 事業所の業績に応じた賞与 |
このレベルに到達するには、日々の看護実践に加えて、自己投資やキャリアを見据えた学習が不可欠です。
【年収1000万円超】独立開業という選択肢|成功のリアルとリスク
看護師としてのキャリアの頂点とも言えるのが、訪問看護ステーションの独立開業です。
経営者として成功すれば年収 1000 万円以上も夢ではありませんが、相応のリスクも伴います。
| 項目 | メリット(成功した場合) | デメリット(リスク) |
|---|---|---|
| 収入面 | – 年収 1000 万円以上も可能 – 自身の頑張りが青天井で報酬に反映される | – 開業初期は役員報酬ゼロも覚悟 – スタッフの給与を優先する必要がある – 経営が軌道に乗るまで収入は不安定 |
| 働き方 | – 自身の理想とする看護を追求できる – 自由な経営方針を立てられる | – 経営、営業、採用など全責任を負う – 24 時間 365 日、事業のことが頭から離れない |
| 必要なこと | – 経営手腕、営業力、人脈 – 数百万円単位の初期投資(運転資金) – 地域の医療・介護ニーズの的確な把握 | – 臨床スキルだけでは成功できない – スタッフの雇用と定着に苦労することも |
開業は、看護師としてのスキルだけでなく、経営者としての資質が問われる厳しい道です。
しかし、地域医療に貢献しながら高収入を実現できる、大きな可能性を秘めた選択肢と言えるでしょう。
「訪問看護は給料が安い」は本当?転職で失敗しないための注意点
ここまで訪問看護のポジティブな側面を紹介してきましたが、「訪問看護は給料が安い」という声があるのも事実です。
それは、一部に待遇が良くない事業所が存在するためです。
転職で後悔しないために、注意すべきポイントをしっかり押さえておきましょう。
要注意!給料が上がりにくい訪問看護ステーションの3つの特徴
求人情報を見る際に、以下の特徴を持つ事業所は慎重に検討する必要があります。
- インセンティブ制度がない、または基準が曖昧
- 基本給のみで、頑張りが給与に反映されないため、年収が頭打ちになりやすいです。
- オンコール手当が極端に安い
- 待機手当が 1,000 円未満など、業務負担に見合わない設定の事業所は避けるべきです。
- 昇給制度やキャリアパスが不明確
- 「昇給あり」としか書かれておらず、具体的な昇給モデルが示されていない場合、将来的な年収アップが見込めない可能性があります。
これらの特徴は、スタッフの貢献を正当に評価しない体制である可能性を示唆しています。
求人票のココをチェック!年収だけで選ばない事業所選びのポイント
目先の年収額だけでなく、長期的に満足して働き続けるためには、総合的な視点が不可欠です。
求人票を確認する際は、以下のチェックリストを活用してください。
| チェック項目 | 確認するポイント | なぜ重要か? |
|---|---|---|
| 給与体系 | – 基本給、賞与の実績 – オンコール手当、インセンティブの具体的な金額と条件 | 年収の伸びしろや、働きがいに関わるため。 |
| 年間休日数 | – 年間休日 120 日以上が目安 – 有給休暇の取得実績 | ワークライフバランスを保ち、長く働き続けるために必須。 |
| 教育・研修制度 | – 同行訪問の期間 – 研修参加への支援(費用補助など) | 未経験の分野でも安心してスキルアップできる環境か見極めるため。 |
| キャリアパス | – 昇給モデルやキャリアアップの事例が公開されているか | 将来の自分の姿をイメージし、目標を持って働けるかに関わるため。 |
| 福利厚生 | – 退職金制度の有無 – 育児支援制度など | ライフステージの変化に対応できる、安定した職場環境かを知るため。 |
年収も大切ですが、これらの要素を総合的に判断することが、転職の成功確率を格段に高めます。
今後の見通しは?2026年度介護報酬改定が年収に与える影響
訪問看護師の将来性を考える上で、国の政策動向は非常に重要です。
高齢化が加速する中、国は在宅医療を推進しており、訪問看護師の待遇改善にも力を入れています。
2026 年度には介護報酬の改定が予定されており、訪問看護師の給与にもプラスの影響が見込まれます。
これまで職種ごとに分かれていた処遇改善加算が一本化され、訪問看護も対象となる新しい加算制度がスタートします。
| 改定のポイント | 内容 | 訪問看護師への影響 |
|---|---|---|
| 処遇改善加算の一本化 | 複数の加算が統合され、より多くの事業所が利用しやすい仕組みになる。 | 事務手続きが簡素化され、事業所が加算を取得しやすくなる。 |
| 訪問看護への加算率 | 訪問看護事業所には「総単位数×1.8%」が新たに加算される見込み。 | 事業所の収入が増え、その分が看護師の給料に還元されることが期待される。 |
| 算定要件の柔軟化 | 比較的ゆるやかな要件を満たせば、加算を算定できるようになる。 | 中小規模の事業所でも待遇改善に取り組みやすくなる。 |
このように、国の後押しもあり、訪問看護師の賃金水準は今後も向上していく可能性が高いです。
将来性のある分野でキャリアを築きたいと考えるなら、訪問看護は非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。
まとめ|あなたの経験を活かし、理想の年収と働き方を手に入れるには
今回は、訪問看護師のリアルな年収事情から、年収 1000 万円を目指すキャリアプランまでを解説しました。
- 訪問看護師の平均年収は約 470~556 万円で、病院勤務(日勤)と比べても高水準
- 年収アップの鍵は**「オンコール手当」と「インセンティブ」**の活用
- 経験やスキルに応じて、年収 600 万円、800 万円へと着実にステップアップ可能
- 転職で失敗しないためには、年収額だけでなく、休日や教育制度など総合的な判断が重要
- 国の政策も後押ししており、将来性は非常に高い
「訪問看護は給料が高い」という話は、働き方や事業所を選べば紛れもない事実です。
あなたの病院での臨床経験は、在宅の現場で必ず大きな力になります。
この記事で得た知識をもとに、ぜひ理想の年収とワークライフバランスを実現するための第一歩を踏み出してください。
訪問看護の年収に関するよくある質問(Q&A)
最後に、読者の皆様からよく寄せられる質問にお答えします。
Q1. 臨床経験が3年未満でも訪問看護に転職できますか?
A1. 可能です。
ただし、訪問看護は一人で判断を求められる場面が多いため、多くの事業所では臨床経験 3~5 年以上を応募条件としています。
経験が浅い場合は、新卒や第二新卒の受け入れ実績があり、教育体制(特に同行訪問の期間)が充実している事業所を選ぶことが重要です。
訪問看護師の平均年収はいくらですか?
2024年最新のデータによると、訪問看護師の平均年収はおおむね470万円から556万円です。公的調査では500万円を超える結果が出ており、全体として高水準にあります。
訪問看護師の年収は何によって左右されますか?
訪問看護師の年収は、給与体系と手当、経験やスキル、勤務先の規模や地域により左右されます。特に、オンコール手当やインセンティブが年収に大きく影響します。
夜勤の有無は訪問看護師の年収にどのように影響しますか?
夜勤のない訪問看護師は基本的に日勤のみですが、夜勤手当がある病院勤務の看護師と比較すると、夜勤手当次第で年収が高くなる場合もあります。特に夜勤手当の有無が年収の差を生み出す大きな要素です。
訪問看護師が高収入を目指すためのキャリアパスは何ですか?
経験やスキルに応じて、年収600万円、800万円と段階的にステップアップが可能です。専門資格の取得や管理者ポジションへの昇進、独立開業など、多様なキャリア戦略があります。
訪問看護の年収を増やすために注意すべき点は何ですか?
給与が高いとされる事業所は、インセンティブ制度やオンコール手当の有無、昇給制度やキャリアパスの明確さなどを詳細に確認することが重要です。待遇の良くない事業所を避け、総合的に長期勤務に適した環境を選ぶことが成功の鍵です。