ご家族の在宅療養を考えるとき、公的保険のサービスだけでは時間が足りないと感じることがあります。
しかし、自費の訪問看護を検討しようにも、料金体系が複雑で一体いくらかかるのか見当がつかない、という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんな不安を解消するために、自費訪問看護の料金について徹底的に解説します。
料金表や具体的なシミュレーションを通じて、費用の全体像を明確に把握できます。
さらに、費用負担を賢く抑える方法もご紹介しますので、安心してご家族にとって最適な療養計画を立てる一助となれば幸いです。
自費訪問看護の料金表|基本料金と追加料金のすべて
自費訪問看護の料金は、どの事業者もおおむね2つの要素で構成されています。
それは、「基本料金」と「追加料金」です。
基本料金は、看護師が訪問する時間帯や曜日、滞在時間によって決まるベースとなる費用です。
一方、追加料金は、交通費や規定時間を超えた場合の延長料など、特定の状況に応じて発生する費用のことを指します。
まずは、この2つの料金の詳細を一つずつ見ていきましょう。
【基本料金】時間・曜日別の料金一覧
基本料金は、訪問する「時間帯」「曜日」「滞在時間」の組み合わせで変動するのが一般的です。
多くの場合、利用者が少ない早朝や夜間、深夜、そして土日祝日は料金が割増しになります。
以下は、一般的な事業所の料金体系の一例です 。
| 時間帯 | 平日(月~金) 30分未満 | 土・日・祝祭日 30分未満 | 平日(月~金) 30分以上90分未満 | 土・日・祝祭日 30分以上90分未満 |
|---|---|---|---|---|
| 8時~18時(日中) | 5,000円 | 6,300円 | 8,800円 | 11,100円 |
| 6時~8時(早朝) 18時~22時(夜間) | 6,300円 | 7,900円 | 11,100円 | 13,900円 |
| 22時~6時(深夜) | 7,500円 | 9,400円 | 13,300円 | 16,600円 |
この表からわかるように、同じサービス内容でも訪問するタイミングによって料金が大きく変わります。
例えば、平日の日中に1時間訪問する場合と、土曜の夜間に1時間訪問する場合とでは、数千円の差が出ることがあります。
料金は事業者によって異なるため、これはあくまで目安として参考にしてください。
【追加料金】交通費やキャンセル料など見落としがちな費用
基本料金のほかに、状況に応じて様々な追加料金が発生する可能性があります。
契約前にしっかり確認しておくことで、後から「こんなはずではなかった」という事態を防げます。
主な追加料金には、以下のようなものがあります。
| 項目 | 金額例 | 適用条件の例 |
|---|---|---|
| 超過時間利用料 | 1,800円(30分毎) | 1回の訪問が事業所の定める規定時間(例:90分)を超えた場合に加算。 |
| 休日利用料 | 2,500円(1回につき) | 事業所が定める営業日以外(年末年始、お盆など)に利用した場合に加算。 |
| エンゼルケア料 | 3,000円~20,000円 | ご逝去後、ご遺族の希望に応じて行う死後処置に対して加算。 |
| キャンセル料 | 5,000円 | 訪問予定日の前日営業時間内など、定められた期限までに連絡がなかった場合に発生。 |
また、交通費も忘れてはならない追加料金の一つです。
算出方法は事業者によって異なりますので、複数の例を見てみましょう。
| 事業所からの距離に応じた交通費の例 |
|---|
| 【例1:片道距離で計算】 |
| – 片道5km未満: 200円 |
| – 片道5km以上10km未満: 300円 |
| – 片道10km以上: 距離に応じて加算 |
| 【例2:往復距離で計算】 |
| – 往復5km未満: 400円 |
| – 往復5km以上10km未満: 500円 |
| – 往復10km以上: 600円 |
これらの追加料金は、総額に大きく影響を与える可能性があります。
特にキャンセルポリシーは事業者ごとにルールが異なるため、契約時に必ず確認することが重要です 。
なぜ必要?保険の訪問看護との違いと自費ならではのメリット
「そもそも、なぜ公的保険のサービスだけでは足りないことがあるのだろう」と疑問に思うかもしれません。
医療保険や介護保険が適用される訪問看護は、費用負担が軽い一方で、利用できる時間やサービス内容に制約があります。
例えば、介護保険の訪問看護は1回の利用時間が90分までと定められていることが多く、それ以上の長時間の滞在は原則として認められません。
自費の訪問看護は、こうした保険制度の枠を超えたサービスを提供できるのが最大のメリットです。
両者の違いを下の表にまとめました。
| 項目 | 保険適用の訪問看護 | 自費の訪問看護 |
|---|---|---|
| 利用時間 | 1回20分~90分程度が一般的 | 制限なし(数時間~24時間も可能) |
| サービス内容 | 医療処置、療養上の世話など定められた範囲内 | 利用者・家族の希望に応じた柔軟な対応が可能 |
| 利用回数 | ケアプランや病状による制限あり | 制限なし |
| 対象者 | 原則として利用者本人のみ | 家族への相談や指導も可能 |
| 外出の付き添い | 原則として通院のみ | 買い物や散歩、趣味の外出も可能 |
| 医師の指示書 | 必須 | 原則として不要(医療行為は除く) |
このように、自費サービスは利用者やご家族の「こうしたい」という個別なニーズに細やかに応えることができます。
「夜間の見守りをお願いしたい」「趣味の旅行に付き添ってほしい」といった希望を叶えるための、大切な選択肢となるのです。
【いくらかかる?】ケース別・自費訪問看護の費用シミュレーション
これまでの料金表を基に、具体的な利用シーンでどのくらいの費用がかかるのかを計算してみましょう。
実際の料金は事業者や地域によって異なりますので、あくまでご自身の状況に当てはめて考えるための参考にしてください。
詳細な費用を知るためには、必ず利用を検討している事業所から見積もりを取得することが重要です 。
ケース1:平日の日中に長時間の見守りを依頼した場合
一人暮らしの親の安否確認と身の回りの世話を、少し長めにお願いしたいというケースです。
- 利用条件: 平日(月曜日)の10:00~12:30(2時間30分)に訪問を依頼。交通費は片道5km未満(200円)の事業所を利用。
- 計算内訳:
- 基本料金: 8,800円
- (平日日中、30分以上90分未満の区分が適用)
- 超過時間利用料: 3,600円
- (総利用時間150分のうち、最初の90分は基本料金内。残りの60分が超過分となり、1,800円×2回で計算)
- 交通費: 200円
- 基本料金: 8,800円
- 費用総額: 12,600円
ケース2:末期がんで土日の夜間ケアを依頼した場合
ご家族の負担を軽減するため、週末の夜間に専門的なケアを依頼したいというケースです。
- 利用条件: 土曜日の19:00~20:00(1時間)に訪問を依頼。交通費は片道10km以上(400円)の事業所を利用。
- 計算内訳:
- 基本料金: 13,900円
- (土日祝、夜間、30分以上90分未満の区分が適用)
- 交通費: 400円
- 基本料金: 13,900円
- 費用総額: 14,300円
このように、休日や夜間は割増料金が適用されるため、費用が大きく変わることが分かります。
利用したい曜日や時間帯を具体的に想定して費用を考えることが大切です。
費用負担を賢く抑える方法|保険との併用と医療費控除
自費サービスは全額自己負担となりますが、工夫次第で経済的な負担を軽減することが可能です。
ここでは、代表的な2つの方法をご紹介します。
| 方法 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 保険サービスとの併用 | 医療処置など保険でカバーできる部分は保険サービスを利用し、足りない部分(長時間の見守りなど)だけを自費で補う方法です。 | ケアマネジャーや訪問看護ステーションの担当者と相談し、最適な組み合わせのプランを作成することが重要です。 |
| 医療費控除の活用 | 医師の指示に基づいて受ける訪問看護の費用は、医療費控除の対象となる場合があります。年間の医療費が一定額を超えた場合に、税金の還付を受けられます。 | 自費サービス利用料も対象になる可能性がありますが、交通費など一部対象外のものもあります。確定申告には領収書が必須なため、大切に保管しましょう。 |
これらの制度を上手に活用することで、費用を抑えながら質の高いケアを実現できます。
ご自身のケースが医療費控除の対象になるかなど、不明な点は税務署や専門家にご確認ください。
契約前に必読!信頼できる訪問看護事業者の選び方と注意点
費用はもちろん大切ですが、ご家族のケアを安心して任せられる信頼できる事業者を選ぶことが何よりも重要です。
契約を結ぶ前に、以下の点を必ずチェックしましょう。
- 1. 詳細な見積もりを提示してくれるか
- 希望するサービス内容を伝え、基本料金から追加料金まで含めた総額の見積もりを必ずもらいましょう。
- 2. 料金体系が明確で分かりやすいか
- 料金表が公開されており、どのような場合に割増や追加料金がかかるのかが明確に説明されているかを確認します。
- 3. 契約書の内容は十分か
- サービス内容、料金、キャンセル規定などが書面で明記されているかを確認します。不明な点は、署名する前に必ず質問しましょう。
- 4. スタッフの専門性や人柄は信頼できるか
- 事前面談などを通じて、スタッフの経験や資格、コミュニケーションの取り方などを確認し、安心して任せられる相手かを見極めます。
- 5. 緊急時の対応体制は整っているか
- 24時間連絡が取れる体制があるかなど、万が一の時のサポート体制を確認しておくことも大切です。
いくつかの事業所から話を聞き、サービス内容や費用、スタッフの対応などを比較検討することをおすすめします。
まとめ:費用への不安を解消し、最適な在宅療養プランを
この記事では、自費の訪問看護にかかる料金について、料金表やシミュレーションを交えて解説しました。
最後に、本記事の重要なポイントを振り返ります。
- 自費訪問看護の料金は「基本料金+追加料金」で決まる
- 費用は訪問する時間帯や曜日、滞在時間によって大きく変動する
- 保険サービスとの併用や医療費控除の活用で、費用負担を軽減できる可能性がある
- 契約前には必ず詳細な見積もりを取得し、契約書の内容を十分に確認することが不可欠である
自費の訪問看護は、保険サービスではカバーしきれない多様なニーズに応え、在宅での療養生活をより豊かにするための力強い選択肢です。
費用への不安は、正しい情報を得ることで解消できます。
まずは気になる訪問看護ステーションに連絡し、療養に関する希望や費用について相談することから始めてみてはいかがでしょうか。
自費訪問看護の料金はどのように構成されているのですか?
自費訪問看護の料金は、基本料金と追加料金の二つで構成されており、基本料金は訪問時間や曜日、滞在時間によって決まり、追加料金は交通費や延長料金など特定の状況に応じて発生します。
基本料金はどのように設定されていますか?
基本料金は、訪問時間帯、曜日、滞在時間の組み合わせによって変動し、平日の日中や夜間、深夜などによって料金が異なります。多くの事業所では、早朝や夜間、土日祝日は料金が割増しになるのが一般的です。
自費訪問看護を利用する際に注意すべき追加料金には何がありますか?
追加料金には交通費や超過時間利用料、休日利用料、キャンセル料、エンゼルケア料などがあり、これらの金額や適用条件は事業者によって異なるため、契約前に詳細を確認することが重要です。
保険適用の訪問看護と自費訪問看護の違いは何ですか?
保険適用の訪問看護は時間やサービス内容に制限があり、短時間の医療処置や療養世話に限定されます。一方、自費訪問看護は制限が少なく、長時間や多様なサービスに対応でき、家族への相談や外出の付き添いも可能です。
自費訪問看護の費用を抑える方法には何がありますか?
費用を抑える方法として、保険サービスとの併用による必要な部分だけの自費負担や、医療費控除の活用があります。これにより、経済的負担を軽減しつつ高品質なケアを受けることが可能です。